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健康コラム
vol.29 目の健康~疲れ目の放置は全身の疲れ~

保健師コラム

vol.29 目の健康~疲れ目の放置は全身の疲れ~

一日中パソコンに向かっていたり、スマホを普段から使用していると、目がかすんできたり、目の奥が痛く感じることはありませんか?
目の疲れは放っておくと、肩こりや頭痛、冷え性、さらにはこころの調子が不安定になることも。今回は「目」のお話です。


モノを見る器官

目は「モノを見る」ための唯一の器官です。モノを見るときは、対象物との距離に応じて、自動でピント調節をしています。
ピント調節には、カメラレンズのような役割の「水晶体」と、その周りの筋肉の「毛様体筋」が関係します。
毛様体筋をギュッと緊張させたり、緩めたりして、水晶体の厚みを変えて、ピント調節をしています。

※ 遠くをみるとき
毛様体筋を緩めて水晶体を薄くし、遠くにピントを合わせます。

※ 近くをみるとき
毛様体筋を縮めて水晶体を厚くし、近くにピントを合わせます。


疲れ目の状態

筋肉が縮んだままでいると、血液の流れも悪くなり、十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。
1日のなかでスマホやパソコンの画面を見ている時間が多いということは、「毛様体筋」が縮んだ(緊張した)ままでいる状態です。この状態が長く続くと、毛様体筋が凝り固まり、血流不良をおこします。
また、作業に集中すると、まばたきが少なくなりがちです。目を保護する油膜が少なくなってしまい、目が乾き、ドライアイ状態になることも。

《疲れ目の症状》

・目のかすみ
・物が二重に見える
・ピントが合いにくい
・目が重たい
・目が痛む
・充血する…
など様々あります。
慢性化すると「眼精疲労」と呼ばれるようになり
・肩こり
・頭痛
・からだがだるい、疲れやすい
などの全身の不調につながりかねません。


疲れ目と自律神経

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成り立っています。
※保健師コラム『自律神経を整える~こころとからだのメンテナンス~』参照
交感神経は日中の活動時間、いわば「闘争(逃走)モード」になっているときに活躍します。
交感神経が活発になっているときの目は、瞳孔がひらき、毛様体筋が収縮している緊張状態が続いています。

長時間のパソコン作業や寝る直前までのスマホいじりは、ブルーライトの刺激が多く、交感神経を活発にしすぎる傾向があり、結果として自律神経の乱れの要因のひとつとなってしまいます。
自律神経の乱れは、「倦怠感(だるさ)」や「不眠」、「こころの病気」を引き起こしかねません。


~目と涙とストレス~

涙はまぶたの外側の涙腺で作られます。交感神経が活発なときは、ものが見えやすいように涙の分泌は少なくなり、副交感神経が活発なときは、涙腺が緩み涙も流れやすくなります。
ところで、映画で感動し涙を流したあと、気分がスッキリしたことはありませんか?
涙を流す直前、交感神経の緊張は高まっています。そして激しく興奮した直後に涙が流れ、副交感神経へとスイッチし、リラックス状態、スッキリする感覚になるのです。
交感神経と副交感神経の切り替えは意識して行うことはできません。「眠る」ことと「泣く」ことでしかスイッチが入らないのです。
「泣く」ことは恥ずかしいことではありません。ときには思い切り涙をながして、ストレス解消に役立てましょう。


スッキリ!疲れ目解消法

目の周りの筋肉のコリをほぐすことで、疲れ目は改善されます。デスクワークは1時間に1度は小休憩をはさむことが推奨されています。1時間に1回、30秒~60秒を目安に行ってみてください。凝り固まった筋肉がほぐれます。

〈ギュッパッ運動〉

まぶたをギュッとして目をつぶりましょう。
ギューッと1.2.3.4.5でパッと開いてください。

〈眼球ぐるぐる〉

眼球を上、右、下、左、と動かします。上を向いたら、目を閉じる。目を開けたら右を見る・・・という流れで繰り返してください。
360度、眼球を1周するのもお勧めです。

〈遠くを見る〉

山や自然を見てください、とは言いません。手元から目を離し、5メートル先のものでよいです。窓があるなら、流れる雲を眺めてみてください。

〈温タオルパック〉

夜、1日働き疲れた目の周りに、温めたタオルをおいてあげましょう。血行がよくなり疲れが取れるだけでなく、リラックスにも効果的です。


参考

  • 公益社団法人 日本眼科医会「パソコンと目」他

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