健康コラム
保健師コラム
vol.28 自律神経を整える~こころとからだのメンテナンス~
自分のからだと向き合う時間作っていますか?
家にいる時間が多く、ストレスにさらされることが多い時こそ、自分のからだと向き合ってみましょう。
からだの調子には自律神経が関係します。今回は「自律神経」のお話です。
自律神経ってなに?
自律神経とは、自分の意志とは無関係に、からだの機能をコントロールしている神経です。
手や足を動かすことはできても、血液や内臓を動かすことはできませんし、栄養を吸収することもできません。この“意識してもできないこと”をやっているのが自律神経です。
自律神経の種類
自律神経は「交感神経」「副交感神経」に分かれます。
・交感神経…おもに日中に活動しているときに作用している
・副交感神経…リラックスしているとき、おもに夜間に作用している
二つの神経のバランス
健康な人、元気な人は自律神経のバランスが取れている、と言えます。昼の活動で疲れた分を、夜しっかり休んで回復することができているのです。
二つの神経は対になる働きをして、うまくバランスを整えています。
上の図は交感神経と副交感神経のバランスを表したものです。
Aについて:2つバランスがほどよくとられている状態
活動と休息がうまく切りかえることができ、いきいきと意欲的に生活できます。
この状態から2つのレベルを引き上げることで最高のパフォーマンスを発揮できます。
Bについて:交感神経のレベルが高く、副交感神経のレベルが低い状態
交感神経のレベルが高いため、必要以上にイライラや不安・恐怖を感じやすくなり、また副交感神経のレベルが低いために十分な休息がとれず、「不安障害」や「パニック障害」「不眠症」などの病気を引き起こしやすくなります。
Cについて:交感神経のレベルが低く、副交感神経のレベルが高い状態
過度なリラックス状態が続き、適度な緊張感がなくなり、活気を失います。倦怠感(だるさ)や憂うつな気分になりやすく「うつ病」を引き起こす原因と考えられます。
また、食欲のコントロールもつかなくなり「過食」傾向になりがちです。
Dについて:両者ともレベルが低い状態
一見安定しているように見えますが、交感神経のレベルが低すぎるせいでやる気を失い、副交感神経のレベルも低すぎるせいで十分な休養をとることもできず、ぐったりとした状態になってしまいます。この状態も「うつ病」や「不眠症」の原因となると考えられます。
両者のレベルが極端に違うと、心身共に調子が崩れがちになります。放置すると病気を引き起こしかねません。2つのバランスを上手にとることが大切です。
自律神経が乱れたとき
様々な場面で私たちはストレスを感じています。適度なストレスは意欲を向上させますが、過度にかかるとそれはプレッシャーとなり、よいものではなくなります。
仕事・人間関係、暑さや寒さ、運動不足、不規則な生活…、自律神経のバランスを崩す場面は様々です。
2つの神経のバランスが崩れた時、からだはどのような反応をするのでしょうか?
・疲れがとれない
・からだがだるい
・肩こり、頭痛がある
・動悸や息切れがする
・食欲がわかない、食べてもノドが詰まる感じがする
・よく眠れない
・手足がしびれる、冷える
・イライラしやすい、落ち込みやすい
・集中力がない
・ささいなことが気になる など…
非常に多くの症状があり、複数が絡み合うことで、病気を発症しやすくなります。
こころとからだのメンテナンス~規則正しい生活を!~
交感神経、副交感神経のバランスが整うようにするには、「昼間しっかりと活動し、夜にはぐっすりと眠る。」この生活を心がけることです。
・朝起きたら必ず日の光を浴びる
日光を浴びると、カラダのリズムを整える(夜眠たくなるように作用する)ホルモンを刺激します。
・睡眠を十分にとる
睡眠負債に陥らないよう、決まった時間に深い眠りにつけるように心がけます。
寝る直前までスマホをみることは避けましょう。
・適度な運動をする
運動不足は、体温の調節不良や筋肉の緊張を引き起こすといわれています。
適度にからだを動かすことで、血流もよくなり、緊張もほぐれていきます。
~現代社会はストレス社会~
「わたしはいまストレスを感じている」と気づくことがスタートです。
ストレスを感じたら、溜め込む前に解消しましょう。
「その日のストレスはその日のうちに」が大切です。
日々の生活に追われていると、つい後回しになりがちですが、一度足を止めて、自分のからだと向き合いましょう。
参考
- 厚生労働省 eヘルスネット「自律神経失調症」 他
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担当 立川保健師 安田保健師
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