健康コラム

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vol.79 産業医選びのポイントとは?
産業医とは、事業場において労働者が快適な作業環境のもと健康な状態で働けるように、専門的な立場から指導・助言を行う医師です。
労働者が50名以上の事業場で産業医の選任義務が発生し、選任義務が発生してから14日以内に労働基準監督署へ提出する必要があるため、50名を超えてから慌てて手配を進める企業も少なくないでしょう。産業医選出のタイミングに備え、またおさらいとして、産業医の役割や特徴についてご紹介します。
<産業医に期待できること>
産業医には、医学的な立場から労働者の健康保持増進や職場環境の改善などについて
助言してもらい、より働きやすい職場を作り上げていくよう一緒に考えてもらいましょう。

①健康診断とその結果に基づく措置
健康診断は実施して終了ではなく、その結果から労働者が就労できる健康状態かどうかを
確認することが主な目的です。産業医は健診結果への就業判定を行い、
事業者は産業医の意見を踏まえ、労働者の働き方の変更に取り組みましょう。
労働者に対しては、産業医や産業保健師による医療機関への受診勧奨や保健指導を行います。
②治療と仕事の両立支援
「病気の治療=仕事を休んで自宅療養・入院治療」というイメージがあるかもしれませんが、
今は治療をしながら就業をするケースが増加傾向にあります。
休みたくない、休めないと本人がつい無理をして病気が悪化してしまうことがありますが、
産業医に適切な意見を求めることで、適切な治療を受けながら就労を継続できるかもしれません。
③ストレスチェック制度や長時間労働者への対応
メンタルヘルス不調を未然に防ぐ一次予防が目的のストレスチェック制度において、
産業医が「実施者」の役割を行うことが望ましいとされています。
ストレスチェックで高ストレス者と判断された対象者や長時間労働の対象者が申し出た場合、
医師による面接指導が必要となります。
④職場巡視
職場巡視の主な目的は、作業環境を実際に目視で確認し、
安全衛生上の問題点を見つけ改善していくことです。
原則毎月1回以上(条件を満たしている場合は2か月に1回)行うことが定められており、
流れ作業のようにチェック項目を見ていくのではなく、
安全で快適な職場づくりに向けて取り組む意識が大切です。
⑤衛生委員会
産業医は衛生委員会のメンバーです。衛生委員会は毎月1回以上開催する必要があり、
健康管理体制や職場環境、働き方について審議します。
医学的な立場からのアドバイスだけでなく、産業医に、
事業場における課題等をより詳しく理解してもらうことも期待できます。
⑥情報管理
健康情報は、個人情報の中でも特に配慮が必要な情報ですので、
取り扱いには細心の注意が必要です。
健康情報の開示について労働者の同意をとりつつ、産業医が労働者の健康状態を
医療情報を交えながらわかりやすい形で人事や上司などに説明することで、
本人や周りへの配慮、職場環境の改善が適切に行えるようになることが期待できます。
<産業医選びのポイント>
地域の医師会に相談する、近隣の医療機関や健診を依頼している医療機関に相談する、
産業医紹介サービスを利用する、グループ会社・同業他社・近隣の会社に紹介してもらう…など、
産業医を探す方法は複数ありますが、いずれの方法であっても、
「産業医に何を期待するか」をできるだけ明確にしておくことがおすすめです。

産業医は知識豊富で頼りになる存在ですが、一括りに「産業医」といっても先生によって個性があり、
企業サイドのイメージに合わない場合もあります。
はじめての産業医選び、また産業医変更等はぜひエージェントをご活用のも一つの手です。


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TEL:0120-95-1824
(執筆:産業衛生サポート・ほけんし 健康コラム編集部)
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健康コラムvol.54「産業保健師ってどんな人?産業医との違いは?」
参考文献:
厚生労働省 労働者健康安全機構「中小企業事業者の為に産業医ができること」
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