健康コラム
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vol.74 野菜摂取のススメ
日々の食事で「最近、野菜を食べていないな」と思うことはありませんか?疲れているとき、時間がないとき、手軽に食べられるインスタント食品に頼ってしまったり、丼物や麺類のみで済ませてしまったりすると、栄養バランスが偏り、基礎代謝に必要な栄養素を摂れないことがあります。
つい不足しがちな野菜ですが、8月31日は語呂合わせから「野菜の日」が制定されていたりと、野菜の良さを見直してもらうための記念日もあります。
このような機会に、日頃の野菜の摂取量について、見直してみるのはいかがでしょうか。
<野菜を摂ることのメリット>
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維が含まれています。これらの栄養素は健康を維持する上で、非常に重要なものになっています。
ビタミンやミネラルは、糖質、脂質、タンパク質の代謝を助ける役割があります。ビタミンは脂溶性と水溶性がありますが、特に水溶性ビタミン類は2~3日で排出してしまうため、不足しないように毎日摂取しておくと安心です。食物繊維は、余分な脂質や糖分を胃や腸で吸収しないように調整し、腸内環境を整えて免疫力を高めてくれます。
野菜を食べることは、メタボリックシンドロームや生活習慣病を予防する役割があり、最近ではがんや心疾患の発症率を下げるという研究結果もあるのです。
<1日の摂取目標量>
厚生労働省の「健康日本21」によると、成人の場合、1日の野菜摂取量は350g以上を推奨されています。しかし「令和元年 国民健康・栄養調査」では野菜摂取量の平均値は280.5gで、目標値に約70g足りていないのが現状です。とくに20~40歳代では少ない傾向にあり、働き盛りの世代において野菜不足であると考えられます。
野菜というとサラダを思い浮かべる人が多くいると思いますが、かぼちゃやニンジン、ほうれん草などの緑黄色野菜、ごぼうや大根などの根菜類を活用するのがお勧めです。緑黄色野菜にはカロテンというビタミンが多く含まれており、皮膚や粘膜の保護、抗酸化作用があります。また根菜類にはビタミンC、ビタミンE、ミネラルが多く含まれており、代謝促進や免疫力アップの役割を果たしてくれます。
<あとプラス70gの野菜を摂るためのヒント>
☆ 野菜スープ
野菜は過熱をするとカサが減り、摂取量を増やせます。
キャベツやレタスなどの葉物野菜は、味噌汁やスープに入れることで、水に溶けだしてしまった水溶性のビタミン類も一緒に食べられるので、一石二鳥です。2~3日の保存もできるので、作り置きしておくと忙しいときに手軽に野菜を食べられます。また水溶性ビタミンの多いブロッコリーやジャガイモなどは、下茹でするとビタミンが溶け出してしまうため、レンジ調理してからスープに入れると、溶け出した栄養を一緒に摂取できます。
☆ 冷凍保存
葉物野菜は冷蔵保存しても2~3日でシナシナになってしまいますし、根菜類は新聞紙で包んでから冷蔵保存するなどの保存方法に手間がかかることがあります。また毎日自炊をしない人にとっては、野菜を腐らせてしまうのではないかと買い控えするかもしれません。しかし、冷凍保存をするとそういった手間や心配を拭えます。葉物野菜は使いやすい形にカットしておき、根菜類は電子レンジで加熱してからフリーザーバッグに入れておくと便利に使えます。もちろん、市販の冷凍野菜を活用するのもお勧めです。
冷凍した野菜は加熱調理が必要ですが、野菜炒めや味噌汁などは解凍せずにそのまま調理できます。
☆ 外食やランチでも意識的に野菜料理をチョイス
外食や中食が多い、丼物や麺類など単品の食事が多いというかたは、意識的にいつもの食事に野菜のおかずをプラスしましょう。生野菜サラダだけでなく加熱調理された副菜を選ぶと、食物繊維の効果で満腹中枢が刺激され、生活習慣病の予防にも効果的です。
野菜は、季節や産地での美味しさを楽しむのもひとつです。旬のものや新鮮さ、品種によって味が異なるので、お取り寄せなどで新たな野菜の食べ方を経験するのも楽しいです。お子様には栽培から調理までを経験すると、その野菜の魅力を発見して食育にもなります。また、食卓がカラフルに彩られると、より一層食欲が出てきますし、食事の楽しさを分かち合うこともできますね。
栄養豊富な野菜をしっかり食べて、健康に毎日を過ごしましょう!
産業衛生サポート・ほけんしでは、保健師による健康支援サービスも行っており、従業員様の健康をサポートさせていただきます。
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(執筆:保健師 樫山)
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