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健康コラム
Vol.60 スマホが及ぼす睡眠の影響~ブルーライトをカットして良質な睡眠を~

保健師コラム

Vol.60 スマホが及ぼす睡眠の影響~ブルーライトをカットして良質な睡眠を~

近年、睡眠に関する意識が高まり、睡眠を向上するためのグッズや食料品が増えています。
睡眠は身体や心の健康を保つために重要なことは知っていても、なかなか毎日良質な睡眠をとることは難しい・・と思っている人は少なくないようです。
今回は、スマートフォンのブルーライトが睡眠に及ぼす影響について解説していきます。


「ブルーライトとは」

ブルーライトとは人の目に見える光の中で380nm~495nmの青色の光のことです。太陽光に含まれる紫外線の次に波長の短いブルーライトは、光のエネルギーが強く、目の奥まで届きます。LEDを使用したパソコンやテレビ、スマートフォンなどの液晶画面からもブルーライトは多く放射されているため、視界のちらつきや目の疲れを引き起こします。


「ブルーライトを見るとなぜ、眠れなくなるのか」

目からブルーライトが入ると、その刺激でメラトニンというホルモンの分泌を抑えます。
メラトニンは通常、朝日を浴びることで分泌が抑えられて活動的になり、夜になると徐々に分泌され始め眠気を感じるようにするホルモンです。人間の身体は日の出とともに起きて、夜は眠るという生体リズム(サーカディアンリズム)があるため、夜に刺激の強いブルーライトを浴びると脳がその刺激でメラトニンの分泌を抑制してしまい、寝つきが悪い、眠りが浅いなどの睡眠のトラブルを起こすと考えられています。


「寝ながらスマホ、やっていませんか?」

厚生労働省の調査では、1か月間で週3回以上、日中に眠気を感じた人の割合が、男性では32.3%、女性では36.9%でした。
また、「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」が睡眠の妨げになっていると答えた人は男女ともに12%程度ですが、20代の男女は42%を超えています。
寝ながらスマホを楽しむことで、睡眠の質に影響を及ぼし、
日中に眠気を感じるということが起こっているのかもしれません。


「睡眠不足が続くとどうなるの?」

・免疫機能の低下
免疫機能は自律神経の「副交感神経」と関係があります。傷ついた細胞を修復する作用や内臓の機能を高める作用がある、副交感神経はリラックスしている夜間に優位に働く傾向があります。睡眠不足により副交感神経の働きが弱まり免疫機能が低下することで、感染症などに罹りやすくなるのです。

・高血圧や糖尿病のリスクが高まる
副交感神経は身体の修復を助ける機能があります。睡眠不足が続くと副交感神経がうまく働かなくなり、高血圧や高血糖状態を招き、慢性化すると脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病のリスクを高めます。

・食欲と睡眠の関係性
睡眠不足になると脳の刺激により、食欲を調整しているホルモンである、グレリン(食欲亢進)の分泌が増加しレプチン(食欲抑制)の分泌が低下することで、空腹感が強くなり食べ過ぎを引き起こします。

・メンタル不調の助長
睡眠不足が続くと脳が休まらず、集中力や思考能力が下がってしまい、仕事でミスを招く恐れがあります。再びミスを繰り返すかもしれないと自信がなくなることで気分も落ち込み、仕事が気になってますます眠れない、などストレスが重なり、メンタル不調に陥る場合があります。


「スマホ以外の楽しみを見つけよう」

忙しい毎日を送って一息つける就寝前、ゲームやSNS以外の楽しみを見つけませんか?
寝る前はリラックスするための時間と捉え、例えばアロマテラビーで香りを楽しむ、好きな音楽を流してストレッチをする、翌朝の朝食を楽しみにするなど、24時間のうちの1時間程度をアナログに過ごしてみることをご提案します。ゆっくり過ごすことで副交感神経が優位になり、豊かな睡眠時間を過ごすことができますよ。


参考(2022年11月 参考)

・厚生労働省令和元年国民健康・栄養調査結果の概要
(https://www.mhlw.go.jp/content/000710991.pdf)

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