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vol.84 特定保健指導の「動機付け支援」と「積極的支援」はどう選ばれるの?
vol.76のコラムでは「特定保健指導の概要」(https://ohp-service.com/column/vol-76/)についてご紹介しました。
今回はその続編として特定保健指導の対象となった場合に振り分けられる 「動機づけ支援」 と 「積極的支援」 の違いについて取り上げます。
この二つの支援はどのような基準で分けられているのでしょうか?
実は、血液検査の結果や喫煙の有無など、いくつかの健康指標によって判定されています。具体的な判定方法を見てみましょう。
<判定項目と支援の振り分け基準>
まず、対象者は以下のいずれかに該当することで選ばれます
・BMIが25以上
・腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上
・内臓脂肪面積が100㎠以上(腹囲の代わりに内臓脂肪面積を測定した場合は、内臓脂肪面積が100㎠以上の人を、腹囲が基準値以上の人と同等に扱います)
これらの基準に該当した場合、次に血圧や血液データの数値、喫煙の有無などをもとに支援の種類が決まります。
次に以下の表の該当数を確認し支援の振り分けが決定します。ただし、血圧・脂質・血糖のいずれかに該当する場合のみ、喫煙の有無を加味します。
①血圧 収縮期血圧(上の血圧):130mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧):85mmHg以上
②脂質 空腹時:中性脂肪150mg/dL以上 または HDLコレステロール40mg/dL未満
非空腹時:中性脂肪175mg/dL以上
③血糖 空腹時血糖:100mg/dL以上 または HbA1c 5.6%以上
非空腹時:血糖値100mg/dL以上(空腹時血糖を優先して判定)
④喫煙の有無 ※①~③のいずれかに該当する場合のみ、喫煙の有無を加味します。

※腹囲とBMIの両方が基準値以上の場合は「腹囲」を第一基準として判定されます。
なお、65歳以上75歳未満の方は、生活機能やQOL(生活の質)への配慮から、積極的支援の対象であっても「動機付け支援」となる場合があります。
腹囲が第一基準とされる理由は、内臓脂肪の蓄積が 生活習慣病(高血圧、脂質異常、血糖値の上昇など)の原因となるためです。
<動機付け支援と積極的支援の違いは?>
特定保健指導には、「動機付け支援」と「積極的支援」の2つのタイプがあります。それぞれの違いを、わかりやすくご紹介します。
動機付け支援とは原則初回の1回のみ面談があり、その後生活習慣がどう変化したか3か月以上経過後にメールや電話で確認します。自分の健康状態を知り、「どこを変えたらいいのか」「どんな行動が大切か」に気づいてもらい、自分の力で生活習慣を見直していくきっかけをつくる事が目的となる支援です。
一方、積極的支援とは初回面談後3か月以上にわたって継続的にサポートします。面談後、メールや電話にて途中での振り返り(中間評価)や、最終的な成果の確認(実績評価)を行い途中経過の確認を複数回しながら、必要に応じて目標を見直したり、具体的なアドバイスをしたりし、生活習慣の改善をしっかり続けられるようにしていくことが目的となる支援です。
〝積極的支援ではこんなサポートがあります〝
• これまでの生活習慣や行動の振り返り
• 食事や運動の具体的なアドバイス
• 取り組みの進み具合をチェックし、必要なら目標を調整
• 実際に取り組んだ内容を記録してもらい、それをもとにサポート

このように、「動機付け支援」は“健康づくりのきっかけづくり”、「積極的支援」は“しっかり寄り添うサポート”といったイメージです。どちらも、無理なく健康的な生活を続けていくための大切なステップです。
特定保健指導では、お仕事の状況や生活環境、ご体調に合わせて、無理のない目標を一緒に考えていきます。おひとりでは気づきにくかった工夫やアイデアが見つかることもあるかもしれません。
従業員の健康は、企業にとっても重要な資産です。この機会に、特定保健指導を活用し、従業員の健康維持・増進を支援する仕組みづくりを進めてみませんか。
社員の健康意識を高め、長く安心して働ける環境づくりのきっかけとして、ご活用いただければ幸いです。
産業衛生サポート株式会社のグループ会社『ほけんし株式会社』は特定保健指導をはじめとした健康相談のサービスを提供しています。宜しければHPをご参照ください。

当社では、企業の健康管理をサポートするサービス展開をしています



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TEL:0120-95-1824
(執筆:保健師 久保)
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