健康コラム
クローズアップ
vol.73 職場改善に役立てよう!~ストレスチェック集団分析~
義務化から約8年が経過し、少しずつ定着してきたストレスチェックですが、受けっぱなしになっていませんか?
ストレスチェック制度の目的は、従業員のストレスの程度を把握し、従業員自身のストレスへの気付きを促すこと。そして、働きやすい職場づくりを進めることによって、メンタルヘルス不調を未然に防ぐという一次予防です。受検率を上げるためにも、まずは目的を理解し、社内で目線を合わせることが大切です。
<ストレスチェックの意義>
労働安全衛生法に基づき、労働者50名以上の事業場については1年に1回以上の実施義務(50名未満は努力義務)があります。ストレスチェックは、高ストレス者をあぶり出すのが目的ではなく、従業員が自分自身のストレス状況に気付いてもらうためのものです。企業側は、職場環境改善のヒントを得られることが大きなメリットとなります。
休職者や離職者を減らすことにもつながりますので、とりあえず受ける・受けさせるのではなく、うまく活用してよりよい職場環境づくりへと繋げましょう。
<集団分析とは?>
集団分析とは、ストレスチェックの結果を、事業部や部署など集団ごとの単位で組織の傾向を分析することです。集団ごとの「心身のストレス反応」「仕事のストレス要因」「周囲のサポート」の状態を可視化して、組織課題を見つけることができます。事業場の人数が50名を超えているかどうかにかかわらず、集団分析は実施義務がありませんが、現場のストレス状況を把握すると、具体的な改善方法を導く手掛かりを得られるため、取り入れていただくことをおすすめします。
ただし、集計・分析の単位(例:男女別、勤続年数別、役職別、職種別…)が10名を下回る場合など、個人が特定されないよう工夫したうえで実施することが必要です。
■「仕事のストレス判定図」
集団分析は、従業員の結果をもとに「仕事の量・コントロール判定図」「職場の支援判定図」の2つの判定図から、「総合健康リスク」が算出されます。総合健康リスクの全国平均値と比較して、該当の集団が低いか高いかによって、集団の健康リスク度がわかります。
参照:厚生労働省「ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて」
<職場環境改善への役立て方>
集団分析の結果を入手したら、風通しのよりよい職場環境をつくるため、従業員が感じているストレスを和らげられないか検討します。高ストレス者が多い=ダメな集団と捉えるのではなく、あくまでポジティブに職場環境改善に取り組めるよう、指導方法や伝え方にも気をつけましょう。
企業などの事業者は、安全配慮義務として従業員の健康と安全を守る義務があります。その中には従業員のメンタルヘルスも含まれており、従業員がどのくらい負担やストレスを感じているかを把握し、改善していく必要があります。
ストレスチェックの集団分析は、企業にとって実施義務ではないものの、職場のストレス状況を把握するには有効的であり、風通しのよい、よりよい職場環境をつくるうえで活用ができるひとつのツールになります。
産業衛生サポートでは、ストレスチェック実施支援サービスとして、実施準備から従業員の受検、労基署への報告書作成、集団分析レポートの発行までをWeb受検管理システムによって行うことが可能です。
ご担当者様の作業負担が少ないサポートプランもご用意がありますので、ストレスチェックの実施についてお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
参考文献:
厚生労働省 「ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて」
労働者健康安全機構・厚生労働省「これからはじめる職場環境改善~スタートのための手引~」
ストレスチェックについては、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
【vol.14 見直そう!ストレスチェック制度】
【vol.58 ストレスチェックを効果的に実施するポイントは?!】
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(執筆:健康経営推進担当)
【ストレスチェックや従業員の健康サポートにご興味がある方はこちらのページも是非ご覧ください】
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