健康コラム
保健師コラム
Vol.51 3月は自殺対策強化月間 あなたもなれる!命を守るゲートキーパー
日本では、自殺対策基本法に基づき、毎年3月を「自殺対策強化月間」、毎年9月10日から16日を「自殺予防週間」と定めて、国、地方公共団体、関係団体等が連携して「いのち支える自殺対策」という理念を前面に打ち出した啓発活動を推進しています。しかし、日本が全力で自殺対策に取り組む中、昨年12月、女優さんがホテルから転落して亡くなりました。他にもここ数年、著名な方々が自死しています。
日本における自殺の現状
平成10年以降、14年連続して日本国内の自殺者数が3万人を超える状態が続いていましたが、平成24年に15年ぶりに3万人を下回り、平成30年は2万840人で昭和56年以来37年ぶりに2万1,000人を下回りました。
月別自殺者数の推移
令和2年は、10月が2230人と最も多く、2月は1758人と最も少ないと報告されています。
自殺の原因について
自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有しており、様々な要因が連鎖する中で起きています。「経済・生活問題」や「家庭問題」等、他の問題が深刻化する中で、これらと連鎖して、うつ病等の「健康問題」が生ずるなどです。
どのようにしたら少しでも自殺を防止できるのでしょうか?
命を守るゲートキーパー
ゲートキーパーとは、心理、社会的問題や生活上の問題、健康上の問題を抱えている人など、自殺の危険を抱えた人々に気づき、適切にかかわる人のことです。特別な資格はありません。
ゲートキーパーとは以下のような人たちが該当します。
・地域のかかりつけの医師、保健師
・行政や関係機関などの相談窓口
・民生委員・児童委員や保健推進委員、ボランティア
・家族や同僚、友人
など、支援が必要な人の周囲にいる人々が、それぞれの立場や職業によって異なるゲートキーパーの役割をもっています。
ゲートキーパーに共通してポイントとなる主な要素は「気づき」「傾聴」「つなぎ」「見守り」の4つです。
自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤独・孤立」を防ぎ、支援することが重要です。1人でも多くの方に、ゲートキーパーとしての意識を持っていただき、専門性の有無にかかわらず、それぞれの立場でできることから進んで行動を起こしていくことが自殺対策につながります。
相談先
困ったときは勇気をもって相談しましょう。さまざまな相談方法がありますのでご紹介します。
・厚生労働省 まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/)
いろいろな相談先がまとめて掲載されています。
・SNS相談|自殺対策|厚生労働省 (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sns.html)
文:札幌支店 保健師 小林后
参考(令和4年2月 閲覧)
・自殺対策の概要|自殺対策の今|まもろうよ こころ|厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/taisaku/sesakugaiyou/)
・警視庁
(https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html)
・警察庁Webサイト 令和2年中における自殺の状況
(https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R03/R02_jisatuno_joukyou.pdf)
・内閣府大臣官房政府広報室
(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201402/2.html#section3)
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担当 小林保健師 立川保健師
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