健康コラム
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vol.75 守れていますか?従業員の健康情報
健康情報は、従業員の個人情報の中でも、特に配慮が必要な情報です。事業者には、従業員の健康情報を管理し、守る義務があります。
健診結果が芳しくないことが昇進や人事異動に影響してしまったら…産業医面談を受けることでメンタル不調を周りに知られてしまったら…という不安から、従業員は、健康診断やストレスチェックの受検、健康相談に消極的になる可能性があります。企業として従業員の健康を守るためにも、健康情報の取り扱いについて定め、周知しましょう。
<“健康情報等の取扱規程”を定めましょう>
2019年4月に改正された労働基準法に基づき、健康情報等に関する取扱規程の策定が義務化されています。
健康情報等の取り扱いによって、従業員が人事上の不利益を被ることがあってはなりません。企業と従業員の間で健康情報の取り扱いを定め、周知することで、従業員は安心して健康相談や健康診断の受診、ストレスチェックの受検ができます。
従業員50名以上の事業場は衛生委員会で審議のうえ策定、従業員50名未満の事業場も従業員から意見聴取する機会を設けたうえで審議し策定するのが望ましいです。
<取扱規程に定める9つの事項>
健康情報の取り扱いにあたって、「誰が」「どのように」「どんな目的で」など、原則、次の9項目について定める必要があります。事前に定めておくことで、従業員の安心だけでなく、様々なケース(法令では規定されていない人間ドック等の健診結果の提供に同意しない従業員がいた場合は?退職者の健康情報の取り扱いは?等)に直面したとき、事業者や健康情報を取り扱う担当者のスムーズな対応にも繋がります。
<守秘義務とは?>
従業員の健康情報は、「要配慮個人情報」と言って、個人情報の中でも特にデリケートな情報です。健康情報を取り扱う担当者や管理責任者は、本人の同意がある場合を除き、その業務で知り得た従業員の個人情報は外に漏らさないことを義務付けられています。取り扱いも慎重に行う必要があるので、今一度、管理方法を見直してみましょう。
例)産業医と健診結果について話をしているとき、周りの従業員に聞こえてしまったり、
面談の内容を誰でも見られたりする環境ではありませんか?
⇒面談は、会議室など、声が漏れない場所を確保して周りに情報を知られないよう配慮しましょう
産業医からの意見書も不特定多数に見られないよう注意しましょう
健診結果を、誰でも見られる、施錠のできないキャビネットに保管していませんか?
⇒鍵付きのキャビネット等に保管したり、データ化しパスワードをかけて保管したり、
不特定多数に見られないような環境で保管しましょう
「健康情報等の取扱規程」は、作成するだけでなく、周知して、従業員に理解してもらうことで実効性が高まります。また、情報の取り扱いを誤ると、流失や漏洩によって企業の信頼が損なわれる危険もあるので、事前に十分に検討し、規程を作成することが必要です。事業者と従業員の信頼関係のためにも、ルールづくりと運用で、よりよい職場環境の構築を目指しましょう。
産業衛生サポートでは、健康診断やストレスチェックの結果保管に関するサービスも扱っています。
『健診結果控えのクラウド保管サービス』は、結果控えのPDFファイルを暗号化、企業様毎に閲覧権限を設定し、クラウド上で保管することが可能です。健診の予約手配等のアウトソーシングも承っていますので、「従業員の健診予約を取りまとめるのが大変」「紙での健診結果票の保管場所に困っている」「安全に保管したい」など、健診関連の取りまとめでお困りの企業ご担当者様におすすめです。
ストレスチェックについても、当社の提供する受検管理システム内にて、受検とあわせて保管が可能です。
ご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
参考文献:
厚生労働省「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」
https://www.mhlw.go.jp/content/000497426.pdf
労働者健康安全機構「衛生管理を行う上で知っておくべき健康情報等の取扱い」
https://www.kanagawas.johas.go.jp/files/libs/2275/202206301201393463.pdf
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(執筆:健康経営推進担当)
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